「世界一清潔な空港の清掃人」新津春子著(2015)


「プロフェッショナル・仕事の流儀」(NHK)は、ザッピングしてたまたまチャンネルが合うと見て
しまう番組の一つ。先日、新津春子 vol.2 を見た。途中からだったけども、感動した。清掃の
仕事ぶり、こだわり、思い入れ、高い精神性、生き様。笑いながら泣きながら、飾らず実直に語る
人生とプロ意識。番組プロデューサーは彼女に一目惚れしたそうです(そうしたら私と恋敵に
なってしまいますね)。番組終了1分後にはアマゾンでこの本をポチ。
 世界550の空港の中で最も清潔な羽田空港(2013,14,16〜18;英国航空情報調査会社調べ)。
その陰には、中国残留孤児2世、17歳で帰国、27歳最年少記録で清掃技能競技会優勝という、一人の
女性の活躍があった。オビのキャッチコピー風に書いてしまいましたが、ぜひ釣られて読んでみて下さい。
 昨今「○○をやってくれます?」「え?僕がやんなきゃいけないんですか」という残念な会話が
日常的に職場で聞かれるようになった。仕事とは何か。仕事人とは何者か。業務遂行に技術は必要で
あろうが、同様に精神面でも重要なことがある。教えてくれるのは、道を極めた者の魂の言葉である。
新津さんの言うプロの心得は:「(清掃とは関係ないことであっても、)お客様から言われたことは
断らないで全部やっていく。断ること自体が自分には許せないというか、断ったらプロじゃない」
(致知出版(2016)、インタビュー記事から抜粋)
 業務プライド(仕事上の誇り)は高くなければならない。『自分に許せない』という内なる規範が
必要である。そうして人のプライド(人間の尊厳)も同じ高みへ到達していくのではないかと思う。




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