映画評 「フォールアウト M:I-6」 (2018)


 トム・クルーズのプロデュース/主演ですからね、もはや彼のプロモビデオと言っても過言ではない。幾つに
なっても「トムクルーズ走り」は健在だし、女性にモテるし、必要以上にノーヘルのバイクチェイスにこだわるし。
ヘリの操縦免許をわざわざ取得して、スタント代役を立てずに演技していることにも評価が高い。しかし個人的には、
【以下ネタバレ注意】
アレック・ボールドウィン扮するハンリーIMF(Impossible Mission Force)長官の活躍する場面、どんでん返し
的展開はなかなか見応えがあり、このあたりがハイライトかと思う。彼はなかなかいい味出していたのだが、今作で
早くも殉職となった。サタデーナイトライブで注目されて、もうM:Iのギャラには興味がなくなったのかもしれん。
日本のテレビ局の皆さん、SNLのような番組を作れませんか?芸も持たない三流芸人がはしゃいでいるだけの
低予算番組には、もううんざりだ。もう一つの本作の見どころはベンジーがやっとフルマスク変装をさせてもらえた
ことであろうか。サイモン・ペグは狂言回し役で定着しており、一方ボールドウィンも喜劇役者の風采が漂ってきた。
脚本的にはコメディアン二人は不要で、ボールドウィンが弾かれたのかもしれん。彼は、前作「ローグネイション」で
当初CIA長官としてM:Iデビュー、「私がCIAに入った頃は」としゃべっていた。「レッドオクトーバーを追え!」の
頃を指すのだろうか、シリーズ違いですが、配給元は同じパラマウント。密かなウケ狙い?のセリフにファンはニヤリ。

 「レッドオクトーバー」はトム・クランシー原作ジャック・ライアンシリーズの第1作。エージェント映画として
一流に面白いですからこちらも是非。バトルやCGがなくても心理戦の醍醐味がある。「沈黙の艦隊」(かわぐちかいじ)
の元ネタが随所に見られる。青二才ボールドウィンがCIA分析官のライアンを演じた。第2、3作でハリソン・
フォードが替わって当たり役になったから、降板を悔いているかもと察するとき、先のセリフは意味深だったのだ。



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