「マラソン中毒者」小野裕史著(2013)


 何を隠そう、私もランニングが趣味である。2006年6月の小記事に書いたように、丑三つ時に
下作延神明神社〜神木本町天満宮〜身代り不動周辺に出没する怪しい男は私だ。健康のためなら
死んでもいいという年齢になりましたからね。皆さん、体に良いことやってますか?
 マラソンはランナーの肉体と精神を極限状態に置く。ランナーズハイがそれを乗り越えさせる。ハイが
強く出る人は、100 km(ウルトラマラソン) や 250 km ものランが可能になる。場合によっては、
灼熱、極寒という環境すらものともしない、あるいは好んでその極限環境に臨もうとする人たちがいる。
アドレナリンだか、エンドルフィンだかの、overdose 体質だと思われる。
 この本は、2012-2013期の北極、南極、砂漠マラソンの参加体験記である。選手達が極地に行くには、
雪原へ着陸する輸送機の手配や、メディカルサポーターを含めてかなり大掛かりな組織が必要だ。
読む前は「そんなバカな」とは思ったのだが、実際にその興行主がいる(Polar Marathon Adventures
とか RacingThePlanet)。クレイジーなことをやるときは、真剣であればあるほど楽しい。
 マラソンは個人の戦いではある。もし、そこに自己満足しただけだったら、この著者に敬意を
抱かなかっただろう。感動的なところは、極限マラソンにチームで参加することの意義を熱く語って
くれた部分である。食料飲料を背負って砂漠横断 250 km。そして、努力は裏切らない。素晴らしい。
チームとグループの違い、分りますか?団体競技はもちろんチームである。職場も良きチームでありたい。



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